雪の回廊・渋峠へ　2泊3日旅①　―はじまり～高崎へ―

渋峠。

それは日本国内の国道で最も標高が高いとされている峠である。

このお話は、雪の回廊で有名な渋峠とプチ北海道と呼ばれる嬬恋パノラマラインを巡った、いち自転車乗りの単なるツーリング記録である。

高崎から渋峠をめざす

5月の大型連休といえば宿の取り合い合戦だ。
気づけば大型連休まで2カ月を切り、遠出をするならそろそろ宿だけでも取っておかないといけない時期だった。

渋峠という国道で一番標高が高い峠が長野にあるという話は以前から聞いていた。
八ヶ岳にある麦草峠みたいに、山の中をシコシコと登るのかと思っていたら、友人から「空を走っているみたいだった！」という話も聞いていつかは行きたいと思っていた。そんな時、twitterで渋峠の“雪の回廊”の写真が回ってきたのだった。

ロードバイクと雪。
これはロードの特性を考えれば本来あり得ない組み合わせなのだ。ロードは雪の上を走るようにはできてない。下りで転倒しようものなら大怪我だ。しかしその写真は3mはありそうな雪の壁にロードを立てかけてた写真だったのだ。

よし、今年は渋峠の雪の回廊を見に行こう。
―即決だった。 

GW初日、JR八高線から高崎へ輪行

2014年5月3日　早朝7時過ぎ。我々はJR八高線にいた。

拝島から高麗川へ、高麗川で乗り換えて高崎へ。約2時間の道のりだ。
この日のためにボロボロになっていた輪行袋を新調。緑色のオーストリッチだ。この色いい、気分が上がる。

今回のルートイメージはこうだ。群馬県高崎から草津が1日目。翌日は草津から渋峠を登ってUターンし、長野県上田へ。そして最終日は上田から大門峠を通って茅野へ下る。2泊3日の行程だ。

八高線は青梅線と拝島で交差しているJR線である。八王子から高崎まで続いている。
高麗川をコマガワと読めたら、きっと埼玉周辺になじみのあるひとだろう。

東京、埼玉の西武を通り、群馬の高崎まで続くこの路線は八王子～高麗川間で20分に1本ペース、高麗川から先は場合により1時間に1本だ。遅れても代わりがすぐある世界ではない。

JR高崎駅へ到着

オニギリを食べながら昼寝して2時間ルンタッタしてたら群馬県高崎駅に着いた。

自転車を組み立て、広げたものをサドルバッグにしまい、ブレーキの調子を確認する。
忘れ物がないことを確認して、コンビニで水や食料を買いたして、準備もできたし、さあ出発だ。

・・・・というところで、女の子に話しかけられた。

パールイズミのウエアを探しているマレーシア人（高崎市在住）だった。なるほど。
日本語喋れない（・・・どうやって生活してるんだろう？）けど、自転車趣味の弟の依頼で写真のウエアを探しているそうだ。ただ、彼女にとって日本は海外なので携帯でのネット接続は基本プリペイドカードでやっており、つまりはスマホで自由に地図検索ができない、ということだった。

ショップリストを撮って携帯に入れてきたので一番近いところを教えてほしい、というので見せてもらった。

どうやら、東京のショップリストを間違えて写してきたようだった。
そこで、ジャポネーゼなマッキーはスマフォでピピッと高崎市のパールイズミ取扱店を検索した。（1件しかなかった）とりあえずショップの住所が書いてある画面と、地図の画面を携帯で撮ってもらい、あとは彼女の頑張りにかけるしかない。

高崎駅出発。いろいろやっていて出発は9:50になってしまった。
まあ、今日は70kmくらいだからゆっくり走っても4時くらいには草津に到着できるだろう。

街の走りやすさはまあまあ。交通量は多いけど、市街地は短いので何とかなった。

とてもいい天気だ。まさにツーリング日和。ここから榛名山の横を抜けて草津に向かう。

ここから楽しい楽しいツーリング始まるのだった。

（つづく）