自転車ツーリング中の落車と骨折②-落車状況と救急搬送-

自分が落車して大怪我するなんて、大抵の人は現実味をもって感じていないかもしれません。
スピード出してないから大丈夫、とかそんなに道の状態悪くないから大丈夫とか、
案外「大丈夫」って思っている時に限って転倒したりするもんです。

今回の落車は単独転倒なので、体験をふまえて今回は次の3テーマを軸に書いていきたいと思います。

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目次

落車で自転車乗りが怪我しやすい部位

さて、まず今回の転倒について振り返ってみましょう。

転倒の直接の原因は右手がハンドルから抜けたこと。
やや下り基調の一般道で、速度は35km/h前後で走行していました。

転倒図

▲今回の落車の様子

1.段差で自転車がガタンと跳ねる
路面の状況が悪く段差で自転車が跳ね上がり、ハンドルの握りが弱かった右手が抜ける。

2.右手の持ち直しが出来ない
断続的に路面が悪く、ハンドルが暴れているため右手の持ち直しが出来ない。

3.重心が前にあるため右側に転倒
ハンドルに荷重しているためハンドルを握りそこねた右側(車道側)に落車。

4.路面に体を強打
右側に前転するように転がり落ち、右側頭・右肩・右腰を強打。

右側頭 : ヘルメット大破、頭部の軽い打撲
右 肩 : 右鎖骨の完全骨折
右 腰 : 打撲

以上、こういう結果になったわけです。
さて、この事件をきっかけに落車について見聞きすることになったのでちょっとまとめてみましょう。

問1)自転車はスピードが出ていなければ落車しても大怪我しない?
答え: いいえ

今回の転倒時は約35km/hで見通しのよい一般車道でした。35km/hという速度は下り基調の平地であれば普通に出る速度ですので、ぶっとばしていたから事故にあったというわけではないと考えています。
他に落車でケガをした経験のある人に聞いてみると、速度はあまり関係なく、転んだ時の体勢やぶつけた場所によってケガの程度が変わるようです。

問2)ヘルメットは落車時に役に立つのか?

答え: はい

ヘルメットをかぶった状態で頭部を打った場合、かなりの高確率(9割以上)で頭部の大怪我を防げるようです。実際今回もヘルメットは大破していましたが、頭は特に問題ありませんでした。医者に行って頭を打ったと言ってもヘルメットをしていたというとかなり安心されます。あんな発泡スチロールなのにと思うかもしれませんが、衝撃吸収は相当なものです。

一度ぶつけたヘルメットは必ず買い換えましょう。破損があるものは十分に衝撃吸収できなくなるので危険です。また頭のサイズに合ったヘルメットを被り、あご紐、かぶりの位置はきちんとしましょう!

問3)自転車乗りが落車時に怪我しやすい部位はどこですか?

答え: 鎖骨 (脱臼、骨折)

自転車乗りは鎖骨ぶつけ、鎖骨-肩甲骨間の靭帯が切れ脱臼したり、鎖骨をポッキリ折ることが多いようです。病院で話を聞くと鎖骨をやっちゃうのはかなり多いようです。医師の方々も自転車乗りが多いようなので、骨折・脱臼程度であれば丁寧&楽しい対応をしてもらえるかも?

自転車と救急搬送事情

引きつづき、救急車に乗りましたのでその感想をメモっておきます。

問4)落車時の救急搬送(対応)はどんなかんじ?
答え: 対応が早い時は軽症です。重症は対応が遅れることが多い。

多くの人がツーリングする土日祝日ですが、病院も多くが休みのため救急対応ができる病院は少ないのが現実です。地方に行けば行くほどその傾向は強くなり、重症の場合は数少ない設備や人員が揃った遠くの病院に搬送せざるを得なくなるわけです。また、重篤で対応できないと判断されると受け入れを断られ続けるため、すぐに対応が必要な人ほどどんどん遅くなるわけです。

身近な場所で言うと、奥多摩周遊道路。ここで落車した場合病院に搬送されるまでに、最低2時間です。落車して、救急要請をして救急車が到着するまでに1時間、病院に搬送されるまでに1時間。今回の自分の落車では要請して10分くらいで来てくれ、10分くらいで病院に到着したことを考えるととても恐ろしい数字です。

問5)救急搬送されるとき自転車はどうするの?

答え: 運が良ければ一緒にのせてもらえる。

基本的には救急車には乗せてもらえないようです。が、今回の落車では無理をいってスキマに乗せてもらえました。大変よくしていただいたと思っています。当然ですが重症で自分が生死をさまよっているような場合は、乗せてもらえるとかもらえないとかで悩んでる場合ではありません。

問6)自転車落車での救急搬送って多いんですか?

答え: ええ、最近は増えています。

私が救急隊員の人にした質問です。やはり増えているそうです。「今日も他に自転車とトラックが衝突したというのがありました・・・・」というのを聞いいて、自分が誰も巻き込まず肩をやっちゃうくらいで終わってよかったと本気で思いました。

問7)落車で壊れやすいのは自転車?人?

答え: どちらかが大破するようです。

不思議と落車した時に自転車が大破した場合は乗り手は軽症、自転車が軽症の場合は乗り手が重症、という法則があるようです。自転車が派手に壊れてる時は乗り手は擦り傷と打撲くらいで済んだりするようです。そういうときは自転車が衝撃の大半を吸収してくれたおかげなのかもしれません。今回の場合も、自分は鎖骨が折れる衝撃を負いましたが、自転車はタイヤが多少触れてリアディレイラちょこっと曲がったくらいです。あとはハンドルバーとサドルが擦れて曲がったくらい。

やっぱり自転車は体の一部なんですかね(笑)

・・・と簡単にまとめてみました。

落車予防 -脚力と「自転車スキル」-

落車は意外と「えっここで!?」というタイミングや場所で起こるものです。
「脚力がある」ことと「自転車が操れる」ことは同一ではありません(結構混同されているようですが)。そのため、バランスの取り方や危機回避のスキルが少ないまま脚力任せに無理な操作をし急にバランスを崩して転倒落車をすることが結構多いようです。(特に大会なんかだと)

  • 自転車の上でのバランス感覚(転倒する限界点を知る)こと
  • フレームの癖をきちんとつかむこと
  • ブレーキなど安全装置はきちんとしたものをつけること(shimanoなら105以上のグレード)
  • フォークやハンドル周りのきしみや操作性が適切かを確認すること

などが事故を防ぐために注意したほうがいいポイントだと思います。
あとは、

  • 自分の自転車に乗ること

まあコレは人によるかもしれませんけど(笑)
緊張感、責任感、一体感など総合的に考えると、納得してお金を出して購入した自分の自転車にのることで事故率は下げられるのかもしれないと思いました。

ざっくりとしたまとめになってしまったワ(´-`).。oO
まあ、最後のポイントについては何かの機会にふれたときに改めて取り上げてみたいなと思います。

|・ω・)ノシ  では、今日はここまで。

 

→落車骨折③につづく

コメントありがとうございます

ブログ移転の際にエラーで移転ができなかったのでこちらに掲載させていただきます。

1. 道生 2013年10月30日 00:22
大変でしたね。幸いにもお顔に怪我が無くて良かったですね。MTBでコケまくると、落車した時の受け身が自然と身につきますよ。手で支えようとしたら大怪我するので、体全体で受ける感じで。
2. マッキー@管理人 2013年10月30日 23:12
>道生さん
コメントありがとうございます!
頭打ったのに顔は無傷で本当に良かったなと思っています。コケる練習って結構大事なんですよね(笑)練習場所に困りますが、MTBはいいかもしれません♪
3. k98br 2013年11月02日 22:51
ブレーキに関して思うことを書きます
私のスペシャの標準ブレーキは無名ブレーキ(コストダウンのため?)です
当初はブレーキをDURA製に替えようと計画していたのですが
なんだかんだで交換せず、ホイールをDURAに交換
それだけでもブレーキは以前よりかなり効くようになった
これ以上に効くと強力過ぎてカックンブレーキになり簡単にロックしてしまいそうな効き目
当初のDURA製ブレーキ交換は見送ることにした
(DURAのブレーキキャリパーは剛性が高いのでレバー握った分なりのブレーキが効きます)
車もそうだがタイヤロックしてしまうとコントロール不能です
アンチロックブレーキがあるように、ほどほどの効き目のほうがコントロールしやすい
自分のコントロール範囲以上にオーバースペックだと危ないと思うこの頃でした
4. マッキー@管理人 2013年11月04日 21:31
>k98brさん
DURAの前は無名ホイールですか?ロードバイクの場合、急ブレーキ時に思った位置で止まれないと非常に危ないのでパーツグレードに比例して安全装置の剛性は上がるみたいですね。無名のメーカーのものはある一定以上の力を加えると、ブレーキキャリパーが曲がって力が逃げるので、急ブレーキしたいのにブレーキが効かなくなり危険、ということのようです。

ホイールのスペックをいきなり上げた場合は、リムの剛性が上がってブレーキの力が入りやすくなったのでブレーキが効きやすくなったのかもしれませんが、やっぱり105以上のグレードの方が安心ですよー。ロードバイクのブレーキは0か1の掛け方ではないので、その辺慣れるまでは前のほうがいいと思うかもしれませんが慣れれば大丈夫です(´ω`)

あと、カックンブレーキについては、後輪(左)を先にかける癖をつけるのが吉です。前輪(右)を先にかける癖がついてるとキレイに前転しますww
※日本は多くが左ブレーキ=後輪、右ブレーキ=前輪みたいです。

5. k98br 2013年11月05日 17:35
前のホイールはR500です
ほんとはホイールよりブレーキに気を使うべきなのですが、DURA製は高くて踏ん切りがつかないというのが本音です
痛い思いはしたくないので来年?考えます(笑
6. マッキー@管理人 2013年11月05日 19:17
>k98brさん
R500→DURAならホイールだけでもブレーキ感変わってもおかしくないですね(笑)
たしかにブレーキパーツは高いし、最終的にDURA狙ってるなら
途中のグレード買うかどうか迷いますよねえ。
とりあえずそろそろ札幌も冬眠の季節だと思うので、
交換は来年の冬眠明けにまた考えればいいんじゃない~?ということでw
7. マッキー@管理人 2013年11月06日 00:44
※ブレーキに関する追伸前回のコメントで急ブレーキ時の力は前輪<後輪と書いたんですが、
詳しい人に確認したら逆で、前輪>後輪でした。すみませんでした。

急制動時の力の比は前輪:後輪=8:2のイメージで、
前輪におもいっきりブレーキをかけながら体の重心は後に引くようにするそうです。
重心が前のまま前輪におもいっきりブレーキをかけると前転するとのこと。
また、後輪の方に力を入れ過ぎると後輪が滑って転倒するそうです。

ブレーキングも日頃からイメトレ&練習が必要ですね。。。(´・ω・`)

8. k98br 2013年11月06日 20:03
一度ブレーキで怖い思いすると
イメトレでは必ずそのシーンがフラッシュバックするハードブレーキングの練習し自転車がどのような挙動をするか
限界を知ることが大切かもしれない

私の場合はその前に恐怖心で気力が限界です(爆

9. 55号 2013年11月07日 00:07
うーん、それほど急制動することは今までないですね。チンタラ走ってるからでしょうかw
リアを滑らすのは結構やりますが。
完成車のホイールとブレーキで制動力に特に不安なところはないです。十分効きます。スピードレンジが違うんでしょうかね。
10. マッキー@管理人 2013年11月07日 19:15
>k98brさんあら、心に何か刻まれるようなことが(・_・;
急制動の練習は1度は体験してみるといいと思いますけど、タイヤが死ぬのでなかなか難しいとこですね(笑)その代わりチャリとよく対話してクセを知っておくのが良いかなーと個人的に思っております。

11. マッキー@管理人 2013年11月07日 19:27
>55号さんブレーキの話はここぞという時の話なので実際にはその時のスピードの違いもあるかもしれません。ただ、できれば比較できる機会があるといいかもしれませんねー。私も最初はデフォルトで満足してましたが、いろいろ知ると街中や雨の日、下りを走る時は安物に不安を感じるようになりました。

ご参考までに!(^ω^)

12. フラッシュ 2014年01月15日 14:02
私もロードの練習中に落車し、鎖骨と肋骨&骨折、擦過傷4カ所の完治まで1年かかる大けがをしました。
(ペダルが地面と接触し転倒しました。)
早くなる方法だけではなく、
危険な目にあった時にどう対処するかのシチュエーションを常日頃考えなければいけませんね。ブレーキングやハンドルの持ち方も、知らないとついやってしまいそうです。
とても為になりました!

13. マッキー@管理人 2014年01月15日 23:55
>フラッシュさん
コメントありがとうございます。肋骨まで折っちゃったんですね!命が無事で何よりです。ペダルが地面と接触したってことはカーブか何かの時ですか?事故ってみるとハンドリングスキルの大切さに気付かされますよね。コーナリング時のフォームとか、傾きの限界、自転車の挙動をちゃんと理解するためには踏んでるだけじゃダメなんですよね。今現在自転車復帰したばかりですが、3ヶ月乗らなかっただけでハンドリングの感覚がわからなくなってとても怖いです(笑)また同じように転けないように今後はハンドリング練習に精を出したいと思います♪

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この記事を書いた人

千葉・南房総在住/2児のカーチャンやってます。Web関係・カメラ関係のお仕事している在宅ワーカー。ブログは趣味の延長ですが、仕事の備忘録にも使っています)。元ロードバイク乗り(愛車:MBK750RD)

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